研究計画班B01:小林班 瀬戸川 将(大阪公立大学 大学院医学研究科 神経生理学)らの論文がeLifeに掲載されました。
Setogawa S, Okauchi T, Hu D, Wada Y, Hikishima K, Onoe H, Nishizawa K, Sakayori N, Miyawaki H, Kitanishi T, Mizuseki K, Cui YL, Kobayashi K
Acquisition of auditory discrimination mediated by different processes through two distinct circuits linked to the lateral striatum
eLife 13:RP97326, 1-30 (2025)
10.7554/eLife.97326.4
私たちの日常行動は、感覚刺激と行動の繰り返しによる連合学習機能を介して、特段、意識や注意を向けることなく行われるようになりますが、その脳内メカニズムは十分に解明されていませんでした。福島県立医科大学の小林和人教授と大阪公立大学の瀬戸川将特任講師らの研究グループは、音に反応して報酬を得る課題中のラットの脳活動を解析し、背側線条体内の複数の亜領域を構成する神経回路が、時空間的に異なる役割を果たしながら連合学習に関与することを明らかにしました。本研究は、日常的な行動がどのように習慣化されていくのかというメカニズムの理解に寄与するだけでなく、特定の行動を抑制できなくなるような依存症や強迫症といった神経精神疾患の発症メカニズムの解明や、新たな治療法の開発にも貢献することが期待されます。