計画研究班C02 島崎秀昭らの論文がCommunications biologyに掲載されました。
プレスリリース:
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-02-16-0
Nature
Uncovering hidden network architecture from spiking activities using an exact statistical input-output relation of neurons
https://www.nature.com/articles/s42003-023-04511-z
京都大学京都大学
神経回路網の構造をつきとめる ―神経活動と回路構造をつなぐ新しい地図を作成―
動物の脳の神経細胞は環境に適した回路網を構築し、動物が環境を認識し行動するための計算を行なっています。そのため、どのような回路網が構築されているかを知ることは、脳の機能を知るために不可欠です。にもかかわらず、生きた動物の神経活動から背後にある回路網の結合構造を明らかにする技術はこれまでありませんでした。
今回、島崎秀昭 情報学研究科准教授(北海道大学客員准教授)、Safura Rashid Shomali イラン基礎科学研究所博士らの研究グループは神経活動と回路構造を対比させる地図を世界で初めて作成し、神経活動の特徴を手がかりに、隠れた回路構造を特定する手法を開発しました。この地図をもとに視覚野の神経細胞が示すスパース(疎)な活動を調べ、従来考えられていた抑制性細胞が主役の回路網ではなく、興奮性細胞による局所的な共通入力構造が背後にあることを示しました。これによりスパース符号化と呼ばれる脳の情報符号化方式の実態に新たな可能性を示しました。
本研究成果は、2023年2月15日に、国際学術誌「Communications Biology」にオンライン掲載されました。