東北大学 大学院薬学研究科 教授 佐々木拓哉

 2021年7月に、東京大学より異動し、東北大学大学院薬学研究科に着任しました。私はこれまでマウスやラットを用いて、大脳新皮質や海馬の神経回路の生理学的解析を行ってきました。2014年まで米国に留学しておりましたが、帰国直後の2015年から2018年まで、本領域の前身である新学術領域「適応回路シフト」には大変お世話になり、日本での新しい研究環境を立ち上げることができました(写真1)。今回も、自分が異動したタイミングとほぼ同時期に、本領域が発足したおかげで、研究環境のセットアップ、人材教育や情報交換など、様々な恩恵を頂戴いたしました。皆様のご支援にお礼申し上げます。我々の班が担当する研究は、伝統的な生理学実験技術を残しつつ、発展著しいトランスクリプトーム解析技術と融合させていくことです。容易な挑戦ではありませんが、1つ1つのデータを丁寧に集めて、従来は見えなかった神経回路の作動原理が発見できることを目指しています。当研究室は、薬学部ということで、学生がたくさんおります(写真2)。私自身が時代に取り残されないよう、日々勉強しようと思います。来年2023年は、仙台にて第46回日本神経科学大会(大会長:小林和人先生)が開催されます。皆様のご来仙を楽しみにしております。(と、これで終わろうかと思ったのですが)先日、仙台では大きな地震(日本生理学会の会期中)がありました。当研究室も様々な被害がありましたが(写真3)、皆様も研究室の耐震対策はぜひご確認ください。

写真1
写真2
写真3