鹿児島大学医歯学総合研究科 統合分子生理学分野 教授 濱口 航介
2025年3月に、京都大学より異動し、鹿児島大学医歯学総合研究科に着任致しました。京都には11年おりまして、マウスの意思決定の研究と、それに関わる様々な技術(バーコード化やウィルス作成、トレーニング装置など)を自前で開発できる素晴らしい時間と設備を与えて頂きました。2022年からは、学術変革領域「適応回路センサス (ACC)」 に公募班で採用して頂きました。おかげ様で、バーコード化した狂犬病ウィルスの技術開発を大きく進展させることができました。これまでのACCからのご支援に、厚く御礼申し上げます。
さて、統合分子生理学という教室名ですが、先代の教授・桑木先生が考案された名前です。私はこの名前を大変気に入っており、私の研究目的を体現する名前として、そのまま引き継いで使わせて頂いています。私達の研究室では、ACCでの研究と平行して、体の不均衡の情報(例えば喉が渇いた、塩が欲しい、空腹である、といった情報)が、どのように意思決定の回路に伝わり、適切な行動選択を誘導するのか、回路と分子レベルで理解を深めようと、研究を進めています。様々な細胞の持つ分子を手掛かりに、脳と体の生理学を統合しようする私達の研究は、まさに「統合分子生理学」で表されている、と言えましょう。ACCでの研究は、この研究を加速する重要な役割を担っています。今回、異動に伴い、現在イメージングと電気生理、分子生物学ができる研究設備を急ぎ、セットアップしている所です。今後とも引き続きのご支援を頂けますと幸いです。何卒宜しくお願い申し上げます。
最後に、鹿児島は食べ物もおいしく、海とシラス台地、火山(桜島)と温泉、独自の文化を保っている、最高に面白い場所です。皆さま、ぜひ一度おいでくださいませ!
